mclean-chanceの「鯔背でカフェオーレ」

ジャズ以外の音楽について語るブログです。生暖かく見守ってください。

ドラムで音楽がこんなによくなるとは!

Al GreenAl Green Gets Next to You』


Hiレコードの2作目。

前作はアル・グリーンのよさを活かすような曲が少なく、地味な印象しか残さないアルバムでしたが、本作から、ようやく、彼のよさが出てきましたね。

クレジットには一切書いてませんが、多分、次の『Let's Stay Together』とバックミュージシャンはほとんど変わらないでしょうね。

サウンドに一貫するものがあるので。

特に、ドラムスのアル・ジャクスンとハワード・グライムスの使い分けがココから始まったように思います。

ハワード・ジャクスンは、いろいろオカズが入って、バスドラの使い方もハデです。

コレに対して、アル・ジャクスンはBooker T & The MGsでの恐ろしくシンプルなプレイのまんまです。

アル・ジャクスンは、スタックスの固定バックバンドであった、ブカT & ザMGズのドラマーとして、実にシンプルかつ個性的なドラムスを叩いていた人ですが、ココでの演奏はセッションプレイヤーとしての控えめなものとなってます。

とはいえ、ハッキリと彼とわかる演奏ですが。

また、明らかにアル・グリーンのソングライターとしての成長がありますね。

前作は、ビートルズオーティス・レディング風に歌ったりと、明らかに迷いがありました。

本作でも、ドアーズの曲をソウルフルに歌っていますが、コレは完全に自己流になっていて、迷いはありません。

なんでこんなによくなったのかなあ。と考えると、もう、コレは、リズムへのアプローチがハッキリと決まったからなのかなあ。と。

個性の全く違うドラマーを使い分ける事で楽曲のメリハリがつきやすくなり、曲のアレンジやアルバムの組み立てもやりやすくなったのではないでしょうか。

コレは推測でしかありませんが、アル・ジャクスンがアイデア出したのかもしれませんね。

このアルバム制作の中で一番スタジオでの仕事に長けていたのは、明らかにアル・ジャクスンですし。

アル・グリーンの歌い方もガラッと変わり、ホントにイキイキとしている。

ココで手応えをつかんだアル・グリーンが次回作として、彼の最高作にして、ソウル史上の名作と言ってよい、『Let's Stay Together』を作っていく事になります。

そういう意味で本作は重要作と言えるでしょうね。

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