mclean-chanceの「鯔背でカフェオーレ」

ジャズ以外の音楽について語るブログです。生暖かく見守ってください。

ココが転換点になったのでしょうね。

Thee Michelle Gun Elephant『Casanova Snake』


ブラックミュージックを立て続けに聴いた後にコレを聴くとたまげますね!

音圧がべらぼうに高い!! 

ミッシェル・ガン・エレファントは、ヴォーカル、ギター、ベイス、ドラムスのシンプルな編成のロックバンドですが、めいっぱい音が入っていて、ちょっと息苦しいくらいです。

このバンドのサウンドの要は、何と言っても、アベフトシの、弾いているというゆうよりも、何かを切り刻んでいるようなギザギザのギターでありましょう。

叫ぶ詩人。としか言いようのないチバユウスケのヴォーカルは唯一無比。

バッキングもソロも圧倒的としかいいようのない弾きっぷりで、90年代ロックでもトップクラスと言ってよいギターです。

そこにミックスがかかなり集中していて、ベイスとドラムスがちょっと圧倒されてしまっているきらいがありますね。

ライヴで見ると、全くそんな事はないのですが、ライヴとアルバムの音作りがかなり違うというのは、90年代ロックの1つのありようです。

アルバムでは、音圧は凄まじいんですけども、前述の故に、どこか華奢にすら聞こえますね。

ギターがかなり先走り気味なので、ロックと言うよりも、ラウドラなカントリーのような。

別に、カントリーだからいけないと言ってるのではなくて、ロックと言うのは、意外と黒人音楽のノリとは違うという事ですね。

それが音作りで強調されるので、余計にそう聞こえるということで、多分に、それは狙い通りと思われます。

ちょっとこの音作りが気になって、前作の『Gear Blues』を久しぶりに引っ張り出して聴いたら、Bpmがずっと遅くて(前代的にミドルテンポです)、ギター、ベイスとドラムスのバランスもよく、音が太いんです。

いい具合に音にも隙間があって。

何かマンネリ感を打ち砕きたくて、敢えて、無茶と思われるバランス感で作ったのでしょうね。

前半はもうシャカリキなロックンロールで、もうこれっきゃないという感じがとにかく圧巻。

コレだけのロックをメジャーでやっていたバンドはブランキー・ジェット・シティくらいでしょう。

後半の「夜明けのボギー」や「ピンヘッド・クランベリーダンス」のような実験的な曲も入っていて面白いですが、ちょっとアイディア不足になっているような気がします。

この後、ミッシェル・ガン・エレファントは、わずか2枚しかアルバムを出さずに解散しましたが、ある意味、やり尽くした感はあったのでしょう。

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