早熟の天才ハーピスト。
Little Walter『The Best of Little Walter』
破滅型の天才の典型であったリル・ウァルターの決定盤。
マディ・ウァーターズのアルバムと同じ、チェスの『The Best of』ものの1つで、マディと同じくシカゴブルースの決定的な作品であり、ブルースハープの奏法など、「リル以前/以後」という区分すら可能なほどのアルバム。
彼のハープにはいろんな事が言えるでしょうが、その一音で聴き手を納得させてしまう音の深さ、恐さが、桁外れで、マディ・ウァーターズのアルバムを名盤たらしめているのは、彼がサイドメンとして参加している所が少なくないと断言してもよい。
あのアルバムの緊迫感よりは幾分リラックスはしているけども、その分、リルのハープが存分にフィーチャーされているので、彼を堪能するには、やはり、コレなのだ。
マイクを直にくっつけて出される、ハープは、あたかもエフェクターを通して鳴らされるエレキギターのごとくであり、コレをあたかも自分のヴォーカルのようにして歌いまくるのがリルのすごさで(後に、ロックが大いにマネをしております)、フォロワーは世界中にいるであろうが、未だに他の追随を許さない。
3分にも満たない「Juke」の演奏は、まさにブルースハープの教科書。
今聴くとすごいエコー処理だな、コレ(笑)。
それをさらに凌ぐ、「Off The Wall」! まさに天才の所業!!
わずか、22,3歳の頃の録音ですよ!!