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mclean-chanceの「鯔背でカフェオーレ」

ジャズ以外の音楽について語るブログです。生暖かく見守ってください。

コレは盲点!

V.A.『The Lovers Rock Story~ The Best Of The Early Years』


イギリスに存在した「ラヴァーズ・ロック」というレーベルで発表されたシングルのコンピレーション。

1970年代のイギリスでは、レゲエが大流行し、とりわけ、ボブ・マーリは熱狂的に受け入れられ、70年代後半には、ザ・スペシャルズやマドネスといったロックバンドが数多く出現したけども、そういったレゲエの流行を支えたレーベルとして、「ラヴァーズ・ロック」は大変重要なのだが、ロック雑誌などでこのレーベルの名前を目にすることはほとんど見当りませんでした。

要するに、日本では過小評価されていたのですが、イギリスではとても人気のあるレーベルでして、特にティーネイジャーの女の子に人気がありました。

実際、ヴォーカルがとても若い女性で、楽曲も、ボブ・マーリのような「400年間奴隷だった」みたいな、ものすごくベイスの低い凄みのあるものではなく、ものすごくポップで明るいものが多いです。

女の子が喜んで聴いていた。というところが、多分に過小評価の主な原因だったのだと思いますが、私もこのコンピレーションを聴こうと思ったのは、デニス・ボーヴェル(かのポップ・グループの『Y』をプロデュースしたのは彼です)の名前が曲目のクレジットに見えたからで、それがなかったら、聴いてなかったかもしれませんが。

このレーベルを運営していたピーター・ハリスはジャメイカ出身の実業家で、1980年には故郷に帰ってしまい、93年には急死してしまったため、イギリスでも余り顧みられなくなってしまったようです。

そんな、かつては好事家のみが知るラヴァーズ・ロックの作品が再び脚光を浴びるようになったのは、とても素晴らしいことで、実際、ジョン・カパイやデニス・ボーヴェル(2人とも、かのリントン・クウェシ・ジョンスンのバンドのメンバーでもあります)が作曲し、バックバンドには、カパイやボーヴェルはもちろんの事、リコ・ロドリゲスなどがホンモノのレゲエを演奏していますので、見た目のポップさよりもかなり本格的です。

規模は全く違いますけども、イギリスの若い人たちに、黒人音楽を浸透させた。という事では、それこそモータウンと同じ役割を果たしたレーベルであると思います。

ヴォーカルには女の子を起用して、身近な内容を歌わせているのですが、演奏は実はかなり本格的であった。というのは、もう、完全にモータウンですね。

非常に盲点となりやすいところを拾い上げたとても良いコンピレーションだとおもいます。

このアルバムの最後には、フリートウッド・マックの名曲「アルバトロス」が、ジョン・カパイのギターをフィーチャーして演奏されるのも必聴です。

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