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mclean-chanceの「鯔背でカフェオーレ」

ジャズ以外の音楽について語るブログです。生暖かく見守ってください。

コレは最高傑作ではありません。

The Beatles『Sgt. Pepper's Lonely Heart Club Band』

 

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説明不要のロックバンド。


とにかくバケモノのように売れまくったアルバムで、ものの本などを見ると、「ビートルズ最高傑作!」なんて事が書いてあるんですね。

なものですから、根が素直な私はCDをタワーレコードで購入して聴いたんです。

で、思った事は、「コレがロック史を揺るがした名作なの?」というものでした。

有り体に言えば、いい感じの佳曲が途切れなくつながってて、最後がレノンのガチでサイケな曲でシメ。という、まあ、悪くはないけども、最高傑作と呼べるモノとは到底思えず、しばらく、ビートルズの評価が私の中で低かったのは、このアルバムから聴いてしまった事によります。

が、コレが逆転するが、21世紀になってからようやく新しいリマスタリングがなされたビートルズの全アルバムが出てからでして、とりわけ、本作はもう全くのベツモノとしか言いようがないアルバムである事がわかったんですね。

コレが出てから知ったのですが、ビートルズは、一番最初にCDになってから、一度もリマスタリングしてなかったんですよ。

マカートニーが頑としてリマスタリングを許さなかった事が原因だったそうですが(真相は知りませんけども)、それだと本作の製作意図はほとんど伝わらないんです。

もう、音が薄っぺらくて、なんの奥行きもないんですよ、コレが。

よい曲である事はそれでもわかりますが、このアルバムは、当時、最高の録音機材を使って、多分マルチトラックでバラバラに録った音を過激なまでに編集ダビングを加えて作り上げた、極限の音響作品なのであって、その部分があの貧相なマスタリングでは完全に死んでしまってます。

このデジタルリマスタリング版は、まさにデジタル技術でビートルズが意図するところの音響を限りなく再現した力作で、このリマスタリングの中でも一番大変だったと思います。

コレを聴いて、ビートルズがトコトンまでに追求し尽くした実験の数々の意味がようやくわかりました。

ただ、「最高傑作!」ではないと同時に思いましたね。

余りに別格すぎるのです。

ビートルズの素晴らしさは、一貫して素晴らしいシングル曲を作ってくれるバンドという事ででありまして、一曲もシングルカットしないトータルコンセプト音響実験作品を最高!とするのはやはり躊躇しますね。

私は、ビートルズならば、実験精神とバンドとしての一体感がバランスよく配置された『Revolver』こそ最高傑作だと思ってます。

また、ビートルズの本作での途方もない実験をそのままシングル曲にも応用して作られたのが「Strawberry Fields Forever」であり、これこそがビートルズの最高傑作だと思ってまして、個人的に最も愛聴するアルバムは、アルバムとしては破綻している『Magical Mystery Tour』なのです。

という事で、本作での実験はビートルズのバンドとしての寿命を著しく縮めたと思いますが、後世に与えた影響は余りにも途方もなく、私には持て余すテーマです。

 

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