個人的にはコチラの方が好きです。
Carol King『Music』
キャロル・キングと言えば『つづれおり』。が余りにも売れすぎてしまい、もう何も語る気が起きなくなってしまうんですけども、次作の何とも愛想のない、売る気ゼロなタイトルのアルバムは、個人的には、『つづれおり』よりも愛着があります。
このアルバムへの愛着がより深くなる原因は何と言っても「Brother, Brother」ですね。
大変素晴らしいのですが、なんとシングルカットされていないんですね。
エレピ、アコースティック・ギター、ベイス、パーカッションのみのシンプルな演奏にカーティス・エイミーのテナーのソロとキャロル・キングのピアノ演奏を加えているもので、冒頭がかのマーヴィン・ゲイの大名曲に似てますけども、内容はヴェトナム戦争とは無関係な、キャロル・キングの隠れ名曲だと思うんですよね。
ベテランのジャズミュージシャンをゲストに参加させるというのが、1970年代のロックですごく流行りましたが、このアルバムではカーティス・エイミーです。
コレに続いて、カーペンターズがカヴァーして、大ヒットした「It’s Going to Take Some Time」が畳み込まれるという展開は本作の白眉でして、最早何も言うことはございません。
それ以降は比較的地味ですけども、それはあくまでも「比較的」なのであって、どえらいメンバーを揃え、潤沢な製作費で作られた、全盛期のキャロル・キングの演奏ですから、どれもこれも捨てる要素がないんですよ。
やはり、ゲスト参加している、ジェイムズ・テイラー。
B面の一曲目がタイトル曲ですが、カーティス・エイミーのテナーソロが盛大にフィーチャーされている6/8拍子の演奏で、インスト曲の要素がとても強かったして、この曲をアルバムのタイトルにすると言うのは、よく考えるとなかなかすごいですよね。
いやー、この頃のアメリカの音楽は途轍もなくチカラがありますよ。
『つづれおり』しか持っていない方にこそオススメしたい名作です。
『つづれおり』はネコが映ってますが、実は犬派なのでしょうか?