コレまたMGズを堪能できる名作!
Albert King『King of The Blues Guitar』
またしても時代は60年代に戻りますが、コレもブカT & ザ・MGズなくして語れない名作ですね。
また、ロックに与えた影響も計り知れないでしょう。
MGズの重心の低いしっかりとした支えに乗って、余計なことは一切言わないような、アルバート・キングの無骨なギターが鳴るのが心底気持ちがいいですよね。
それだけといえばそれだけなのですが(笑)、それが黒人音楽の素晴らしさですよ!
劇的な展開がない。実は何も起きていない。これこそがブラックミュージックの本質であって、それをトコトンまやってるのがファンクなわけですが、これはかなりロック寄りな作りなので、起承転結があって、アルバムとしての一貫性がありますよね。
黒人音楽は基本はシングル勝負で(ある意味、現在もそうと言っていいでしょうね)、アルバム発表がその寄せ集めなので、非常に雑駁な作りがブルースも多いわけですが、このアルバムは大手のアトランティックが制作しており、当時隆盛を極めたロックファンにアピールすると売れると見たため、明らかにアルバム志向で制作されたため、白人層が大いにレコードを買ったのではないかと思います(これから間もなく、アトランティックはロックのレーベルに転向します)。
BBキングやバディ・ガイのようなスター性のあるスタイルでもない彼が俄然注目されるのは、やはり、このアルバムがあっての事ですが、MGズとの相性はバツグンで、彼らなくしてアルバート・キングを語ることはできないでしょう。
それにしても、アル・ジャクスンのスネアの音はデカい(笑)。
クリームがカヴァーした事で有名な「悪い星のもとに生まれて」は、本家の方が素晴らしいと私は思います。
若くして亡くなったスティーヴィ・レイ・ヴォーンは心底アルバート・キングが好きで、ギターのスタイルがホントによく似てますよ。