オーストラリアから出てきた怪物。
Hiatus Kaiyote『Choose Your Wepon』
たったの4人でやってるのも驚異的です。
オーストラリアからものすごいバンドが出てきたものであります。
私のオーストラリアの印象と言えば、マッドマックス、クロコダイル・ダンディ、そして、AC/DCくらいなもので、他はアンマリよくわかんない。というのが、ホントの所です(笑)。
なので、こんなどこにカテゴライズしたらいいようなバンドが突然出現した時は、とても困りました。
曲の構成がボアダムス。とまでは言わないまでも、およそメジャーでこういう予測不能な曲展開の曲をやっていた人たちはアンマリ聞いたことがないです。
しかも、その曲がプログレではなくて、むしろ、最近のヒップホップやロバート・グラスパーの中心とした今ジャズのリズムがふんだんに入っている事に驚いたんですね。
5連符を基調として、リズムを訛らせる。という発想が、まさかロックバンドを編成の音楽から出てくるとは思いませんでした。
また、起承転結が今ひとつわからんような曲を難なく歌いこなしている風情のヴォーカルが、よく考えてみると驚異的なのだ。
部分部分をとると、エリカ・バドゥのようなオシャレ感があるのですが、全体の曲調がものすごいんで、一体なんなのかわからなくなってきますけども(笑)、ヴォーカルのナイ・パームの歌唱がこのバンドを難解なプログレバンドのような印象から著しく遠ざけているのはたしかで、リズムも曲の構成も凄まじいのに、とっつきにくさが意外とないことがすごいです。
タイトルもなんとなく、ヒップホップカルチャーの中にある、カンフーへの畏敬へのパロディみたいな感じではあります(とにかく、アフリカ系アメリカ人は、カンフーやカラテがよ。ものすごく好きなんですよね)。
しかも、このバンド、まだたったの2枚しかアルバム出していないらしく、なんとも末恐ろしいモノを感じる次第です。
雑にミクスチャーロック。と言ってしまえば、それまでなんですけども、にしてもこんなにリズムが異常に発達したロックというのは、ないし、それを軽々と演奏してるのもすごいですよ。
とにかく、今後の活動が楽しみなバンドです。
アニメオタクっぽいジャケットもよい。