この頃のEWFが好きですね。
Earth, Wind & Fire『That's The Way of The World』
画像には入りきりませんけども、9人編成のバンドでした。ヴォーカル2、ギター2、キーボード1、ベイス1、ドラムズ1、パカシュン1、サックスorフルート1が基本で、ほぼ全員がパカシュンを担当してます。
アースというと、「September」を代表とするディスコティークでキラキラとしたヒット曲のイメージが圧倒的で、サン・ラとほぼおんなじライヴコスチュームも含めて私もそんなアースが大好きなのですが、初期のソウルフルなスタイルもまた素晴らしいのです。
知らなかったのですが、実は同名の映画のサントラとして製作されたアルバムなんですね。
なんと、監督は『スーパーフライ』と同じ、シグ・ショア。
この映画は70年代に流行った、B級ブラックムーヴィの1つで、カーティス・メイフィールドがサントラを担当した事で有名ですが、サントラはともかく映画の出来は正直残念なものでした。
そのショアは、今度はアースを起用して、しかもサントラだけでなく、出演までさせた映画で、なんと、主演はハーヴェイ・カイテルです。
内容的は『スーパーフライ』同様にコレまた酷く(笑)、しかし、音楽は反比例して素晴らしく、初期のアースの音楽性を決定づけることとなりました。
なので、サントラとしてというよりも、完全に独立したアルバムとして楽しむものと言ってよいでしょう。
モリース・ワイト、フィリップ・ベイリーによる鉄壁のツインヴォーカル、大量のパカシュン、輝かしいホーンセクションはすでに確立していて、そういう意味ではアースの音楽性はもう完成していたんですが、あとは「宇宙」というコンセプトとよりクリアな音像があれば、よかっただけだったんですね。
ただ、なんというのかな、「宇宙からやってきた大編成ファンクバンド」になってからの、いささか鉄壁にすぎる人工的な音作りは、少し抵抗感がないではない。
この頃のバンドが一丸となってファンクをやっている頃がどちらかというと好きですね。
分厚くて、温かみのある、いかにもあとアナログレコードらしい音作りが私にはたまらないです。
とりわけ、1曲目から2曲めの流れは最高ではないでしょうか。
フィリップ・ベイリーのファルセットが冴えまくるタイトル曲は、アース史に残る名曲であると思います。
もともとジャズドラマーであったモリース・ワイトが兄弟のヴァーダイン、フレッドを加えたバンドですのから、楽器の演奏能力がものすごくあるバンドなので、「Africano」のようなインスト曲も素晴らしい。
ファンクやソウルが好きな方には、この頃のEWFもまた気に入っていただけると思うのですが、どんなものでしょうか。
ヒットしてからは、こんな『スターウォーズ』みたいな格好になってしまいました(笑)。
追伸
聴いていると、どう考えてもトランペットとトロンボーンが聴こえるんですが、誰が演奏しているのかわかりません。
恐らくはスタジオミュージシャンが入ってるんでしょうけども、この頃のEWFはクレジットがしっかりしていないようで、日本語のwikiと英語のwikiではパーソネルが一致しません。