mclean-chanceの「鯔背でカフェオーレ」

ジャズ以外の音楽について語るブログです。生暖かく見守ってください。

ジャコの最高の仕事はコレ!

Joni Mitchell『Hejira』

 
名作。
 
冒頭のジャコ・パストウリアスのベイスの「コーン」という、なんというか、澄み渡った空を突き抜けていくような音が、ジョーニのヴォーカルと絡むことで起こる無上の快感。
 
私は、このジョーニ・ミチュルとの一連のアルバム参加こそがベイシストとしてのジャコの遺した最高の仕事だと思っているのだけども、個人的に1番手に取ってしまう本作をとりあえず紹介しようかと思います。
 
このアルバム、ジャコのインパクトがホントに強烈なんだけども、実は、4曲しか参加してないんですよね。
 
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ジャコ・パストウリアス
 
でも、1番印象に残るのは彼のベイスで、如何に彼の音楽性がジョーニの曲調とピッタリ出会ったのかがよくわかりますね。
 
ジャコの事ばかり書いてますが、実は参加メンバーは他もすごくて、ラリー・カールトンがリードギターを弾き、ヴィクター・フェルドマンがヴィヴラフォン、ニール・ヤングがハーモニカで参加しております。
 
この前後がジョーニのミュージシャンとしての絶頂期だと思いますが、コレだけの連中を使っていても、彼女の個性は全く埋没しないのは驚異的です。
 
この独特の越境感覚は、ロックファンには余り理解されなかったようで、ジョーニは結局、現在に至るまで大ヒットに恵まれたことはないのですが、でも、彼女のこの辺りの作品が廃盤になる事が全くないというのは、やはり、根強い支持があるからなのでしょうね。
 
本作も、50分を超える大作ですが(LPだと二枚組になります)、曲数は9曲しかありません。
 
そもそもがシングルヒットを考えていないんですね。
 
こういう作り方を許容されるほどに、ジョーニの才能をレコード会社が認められていたのでしょう。
 
ジョーニの独特のチューニングを施したギターとジャコのベイスが絡むと、浮遊感のあるサウンドができますね。
 
ジョーニの作曲に用いるコード進行も浮遊感があり、アルバム全体が鳥で飛んでいるような感覚がありますね。
 
70年代のロックは、ホントに傑作が多いわけですけども、コレはその中でも屈指のアルバムの1つだと思います。
 
ジャコが健康でもっと長生きしていたら、もっと多くの共演が聴けたでしょうね。。
 
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